お店によって、いろいろなパーマの名前がありますが、その違いってお客さんからすれば、わかりにくいですよね?
違いがわからないのに、パーマを選ぶというのは非常に難しいのではないでしょうか?
「パーマの種類によって料金も違うし、自分の髪質にどのパーマが合うのかわからない」といったこともあると思います。
パーマを選ぶ際は、「髪質」と共に「どんな髪型にしたいのか?」によっても変わります。
そこで、それぞれのパーマの特徴と相性が良い髪型を解説していきます。
パーマは3種類しかない
お店によっていろいろなパーマが存在していますが、原理としては3つしかありません。
・ コールドパーマ
・ デジタルパーマ
・ エアウェーブ
どんな名前のパーマであったとしても、この3つのうちのどれかに必ず当てはまります。
水パーマ、ミストパーマ、形状記憶カール、クリープパーマなども、名前が違うだけで仕組みが変わるわけではありません。
では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
コールドパーマの特徴
コールドパーマは、昔からあるもので一番オーソドックスなやり方です。料金も一番安いパーマの種類ですね!
いわゆる「普通のパーマ」です。名前の通り、コールド(冷たい)パーマで、特殊な機械は必要なく、ロッドを巻いて、薬剤を塗布してパーマをかけていくやり方です。
大きいカールから細かなカールまで幅広く対応できて、ピンパーマ、ツイストパーマ、スパイラルパーマとあらゆるウェーブを形成できます。
昔、大流行したソバージュもこのコールドパーマでかけていました。
巻きつけるものと薬剤さえあれば、どんなものでもパーマをかけることができるので、爪楊枝や割り箸などでもパーマをかけることができます。
水パーマ、ミストパーマ、クリープパーマなどがこれに当てはまります。
機械を使って温めるのは非常に危険
機械は使用しない。といったんですが、放置時間のときに遠赤外線で温めることがあります。
頭の上でクルクルと回っているやつや、カポッと頭に被せられる、「おかま」と言われるやつが、遠赤外線の機械です。美容院では一般的に「遠赤」と言われています。
一度は耳にしたことがありませんか?
ちょっと前までは、この遠赤を使い薬剤を温めてパーマを促進させるのが主流だったんですが、現在の毛髪科学では、これは非常に危険な行為とされています。
未だに、パーマの時に遠赤を使っている美容師も多くいますが、明らかに勉強不足です。
経験と勘に頼って行っているとは思いますが、アルカリの暴走は目に見えるものではないので、気付いた時には、すでに取り返しのつかない大きなミスになってしまいます。
デジタルウェーブの特徴
これは、いわゆる「ホット系パーマ」と言われるタイプです。
ロッドに電極が入っており、機械から伸びるコードを挿して、ロッド自体を温めることで、髪を乾燥させて、パーマをかけていく。というものです。
巻き髪のようにくっきりとしたカールができるのが特徴です。また、髪が濡れている時と乾いた時とで、カールのギャップが少ないというのが最も大きな特徴です。
また、コールドパーマでかかりにくい髪質・パーマがとれやすい髪質の方がデジタルでかけた場合、かかりが良く、とれにくいという特徴もあります。
ロッドに電極が入っている分、ロッド自体が大きくなってしまうので、細かい動きをつけたい場合は不向きです。
また、熱を加える際、かなりの高温になるので、根元まで巻き込むことができません。
そのため、根元からのパーマが欲しい場合は、「このやり方はできない」ということになります。
薬剤と温度にもよるのですが、デジタルパーマは髪への負担が比較的に大きいパーマになります。
縮毛矯正と同じ原理ですので、髪のダメージは美容院のメニューの中でもトップクラスです。
自宅でストレートアイロンをしたら、髪がサラサラになり、綺麗になった感じがしますよね?
原理は、あれと同じです。手触りがよいから、ダメージがないというのは見当違いです。
低温デジタルはやってはいけない
低温というと、少し「やさしい」イメージがあるかと思いますが、デジタルパーマにおいては真逆です。
デジタルなどのホット系パーマは、髪を乾燥させることに大きな意味を持っています。
薬剤を流していても、髪の内部では浸透した薬剤が反応を続けていますので、濡れている時間が長くなればなるほど「過還元」という状態になっていきます。
乾燥工程を用いる施術では、一刻も早く髪を乾かすことが重要なので、低温デジタルは危険性が高いです。
髪のことやパーマの原理をよく理解している人でも、かなり難しい施術なのが、低温で行うなうことです。
エアウェーブの特徴
エアウェーブの特徴はデジタルパーマとほとんど同じなのですが、デジタルよりも「やわらかい動き」がつくのが大きな特徴です。
デジタルの場合、「高温で髪を乾燥」させるのですが、エアウェーブの場合は「温風と水分の吸引によって乾燥」させます。
また「応力緩和」という原理を用いるため、薬剤も弱いものでしっかりとパーマをかけることが可能です。
応力緩和とは
髪を三つ編みにして、長時間経ってから、三つ編みを外すと「髪に跡が残った」という経験はありませんか?
くしで梳かしても、元には戻らないけど、髪を濡らすと元に戻る。これが応力緩和です。
薬剤をつける前に「あらかじめ髪に跡をつけておく」ことで、パーマのかかりをよくさせる。という効果があります。
僕の店のやり方
僕の店では、コールドパーマとエアウェーブを取り扱っています。
お客さんの髪質や仕上がりイメージに合わせて、僕がどの方法でかけるかを選ぶ。というやり方で、お客さんに説明しています。
もちろん、料金は違うのですが、最適な方法をプロが選ぶというのは当然だという考えがあるからです。
せっかくパーマをかけるのであれば、なるべく長持ちするようにかけたいと思いますし、髪への負担も少ない方がいいに決まっています。
「このイメージにしたいのであれば、あなたの髪質なら、この方法でやります!」という風にこちらで決めてしまえば、失敗もないですし、お客さんにも喜んでいただけています。
僕が独立す前のお勤め時代は、お客さんに委ねていた部分が強くあったのですが、「この方法ではならないな・・・。でも、お客さんがこれって言ってるし。」という考えで仕事をしていました。
お客さんからするとパーマの種類を「選ぶ基準は料金」しかなったように思います。
あの頃は、お客さんの反応も満足度が低くかったですね。申し訳ないことをしました。
お客さんに言われるがまま施術をするよりも、プロとしての意見をハッキリ伝えて、施術に入る方が、納得してもらえるので、仕上がりも含めてお客さんの満足度は高いです。
ですので、パーマをかけるときは1年以上保つようにをテーマにかけていますし、髪がパーマに耐えられないと判断した場合は躊躇なく、お断りもしています。
こういった配慮をしっかり行っていけば、料金や仕上がりに不満を持つお客さんはいなくなると考えていて、実際に喜んでいただけています。
まとめ
いかがでたしか?少しパーマのことを理解してもらえたでしょうか?
最後に簡単にまとめておきます。
・コールドパーマ
従来からある普通のパーマ。
万能性があり、根元からしっかりかけることができる。
髪が濡れているときと、乾いているときのウェーブ差が大きい。
パーマ中に加温するのは危険です。
・デジタルパーマ
ホット系パーマ。
ロッド自体に高温の熱をいれるため根元まで巻けない。
パーマ中に乾燥させることが大切です。
巻き髪のような、しっかりとしたカールを作れる。
髪が濡れているときと、乾いているときの差が少ない。
低温デジタルは、安易にやると危険です。
・エアウェーブ
デジタルパーマと特徴はよく似ているが、エアウェーブの方が「やわらかい質感」になる。
低温の温風と吸引によって、素早く乾燥させる。
「応力緩和」の原理を用いることにより、髪の負担が少なくなる。
このように、髪質や髪型によってパーマの種類を使い分けることで、ダメージが少なく、保ちが良く、扱いやすい状態を手に入れることができます。
予算に合わせることも大切ですが、美容師の意見に耳を傾けることで、満族のいく仕上がりになることは間違いないです。
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