髪の病院?1回100万円のトリートメント?!その効果とは?

髪の病院美容院での疑問
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「1回100万円のトリートメント」をご存知ですか?

 

先日、テレビで放送していたのをチェックしたんですがトリートメントに100万円ってすごいですよね!

 

「髪の病院」とまで言っているので、同業者としては非常に気になります。

 

僕は、美容院でのトリートメントはお金と時間の無駄だと思っているので勉強のために観たわけではなく、興味本位で観ただけなんですが、世の中にはすごい価値観を持っている人がいるんですね。

 

100万円だろうが、1000円だろうが、僕の店でトリートメントメニューを取り扱うつもりは一切ないですが、この「1回100万円のトリートメント」に効果があるのか?ないのか?

 

僕の美容師としての知識を持って考察しました!

 

結論を先に言ってしまうと、「儲け主義」でしかなく、1000円すら払うのが勿体ないと思ってしまいました。

 

注:実際に僕が体験してきたわけではなく、テレビで放送していた解説を「観て聞いただけ」の感想と考察です。

考え方は「個人の自由」という事をご理解の上、読み進めてください。

 

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「髪の病院」1回100万円のトリートメントに効果はあるのか?

髪の病院の効果とは

 

トリートメントに100万円の「価値」があるかどうかは、その人の「価値観次第」です。

 

ですが、100万円の対価に見合う「効果」があるかと言えば、「ない」ですね。

 

テレビで放送してただけなので、実際のところはわかりませんが、放送内容としては「ありきたりな内容のトリートメント」という印象です。

 

普通の美容院によくある「3ステップトリートメント」となんら変わりません。

 

特許へのこだわりを主張していたので、「むしろ質が悪い」可能性すらあります。

 

特許と聞くと「なんだかすごい」ような気がしますが、誰も必要としていない特許だってありますよね?

 

トリートメントなどの美容商材でいうと、国内の大手メーカーはたくさんありますし、本当にすごい物であれば、使用料を払ってでも大手メーカーが参入するはずです。

 

資金力が違いますからね!

 

しかし、特許使用料よりも「自社での研究」にお金を使ったほうがいい物ができると確信があれば、そちらに資金を回すが普通の考えです。

 

僕がパッと思いつくメーカーでは「ミルボン」なんかは一般の人でも知ってる人が多いのではないでしょうか?

 

個人レベルの特許技術よりも、大手メーカーがおこなっている「最新の研究開発技術」の方が上なのは明らかです。

 

つまり、「個人特許で100万円のトリートメント」よりも「大手メーカーの4000円(料金に意味はない)のトリートメント」の方が、はるかに優れていると断言できます。

 

実際に、ミルボンはトリートメント分野の特許技術を大量に保有していますしね。

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「1回100万円のトリートメント」施術内容はむしろ「古い」

使用しているトリートメント成分は古い

 

テレビでは、施術内容をある程度放送して、肝心な部分は「企業秘密」とったお決まりの流れでした。

 

しかし、美容師であれば「容易に想像がつく程度」といった感じです。

 

テレビでは「そんなことが!?」「それはすごい!」とった風なリアクションだったんですが、割と普通のことを大げさにしてただけです。

 

全体的な工程に目新しいものはなく、成分なんかは「むしろ古い」印象で、ずいぶん昔に取った特許を使い続けてるんでしょうね。

豚の血(ヘム鉄)という紹介

豚の血を使っている!というと確かにビックリしますが、これは「ヘマチン」というごくごく一般的に使われている成分です。

 

ネット通販で販売されてるシャンプーなんかにも普通に配合されてます。

 

ヘマチンとは
鉄を含むポルフィリンである[1]。
ヘミンは、ポルフィリン症、特に急性間欠性ポルフィリン症の発作の軽減に使用されている。
ヘミンは、時に第二鉄の状態のヘモグロビンであるヘマチンと区別されている。しかしながらこの両者は用語的に同等にみなされることもある[2]。
ヘマチンは、インフルエンザ菌の成長に必要なX因子であると考えられている。
引用元:ウィキペディア

 

要は、動物の血液には「ヘモグロビン」ってのがあって、これを「ヘマチン」と「グロビン」ってのに分解することができますよ!ってことです。

 

ヘログロビンなら聞いたことがあるんじゃないかな?酸素を運んでくれる赤血球のあれね!

 

豚に限らず、赤い血を持つ生物はすべてヘモグロビンがある。

 

で、話を戻すと「ヘマチン」はシャンプーなどによく使われている成分なので、珍しくもなんともない。

 

確かに髪には良いとされている成分なんですが、今はあまり主流ではないです。

 

一昔前(10年以上前)にブームがあった成分ですね。もちろん今でも好んで使っている美容師もいますよ!

食べられるセルロース?

これは食べれるくらい安全な成分です!って感じに演出してましたが、セルロースは「食物繊維」ですからね。

 

野菜を食べてるのと変わらないです。

 

リンス、コンディショナー、化粧品なんかは「よく入ってる成分」なので、これも一般的ですね。

 

一応、髪への効果は「ハリ、コシが出る」とされています。

9種類のトリートメントを浸透させる?

ここが企業秘密で、1人1人に合わせた配合って感じだったんで、僕の憶測に過ぎないですが、トリートメント成分なんてたかが知れている。

 

  • 高分子ケラチン
  • 低分子ケラチン
  • コラーゲン
  • ヒアルロン酸
  • セラミド
  • CMC
  • PPT
  • 18-MEA
  • ポリマー

 

というラインナップだと思います(あくまでも予想です)。

 

これらの成分は、どれも一般的でどこの美容院でも溢れかえっているほどメジャーなんですよ。

 

化粧品にも良く入っている成分なので、聞いた事があるものもあるのではないでしょうか。

 

こういったメジャーな成分を大手メーカーが使っていないはずはないですし、これらより良い成分も次々と出続けてます。

 

特許という言葉にかまけていると「あっという間に取り残される」というのが研究の常ですよね!

 

研究においては、規模と資金力次第なので、大手企業に個人が勝てるわけがないと思いませんか?

 

1人1人に合わせた配合といっても、美容師はカラーやパーマ、縮毛矯正などの配合を髪質に合わせて行うのが日常なので、声を大にして言う事ではなく「当たり前」です。

 

こういったトリートメント成分を髪によく「浸透」させるわけですが、そもそも浸透させたところで意味がないです。

 

髪は栄養分を消化も吸収もしないですし、「結合」もしません。

 

わずかな架橋はしますが、かえって弊害になる事も考えられます。

キトサンでコーティングする

キトサンとは、カニなどの甲殻類の殻から抽出できる成分で、コーディング効果があったり、サプリなんかにもなってる成分です。

 

キトサンは、15年くらい前に「ふわっと流行った成分」という印象で懐かしさを感じさせてくれました。

 

未だに使ってる人がいるんだ!もっと勉強すればいいのに・・・というのが感想です。

 

そもそも、コーティングって堂々と言ってしまっていますよね・・・。

 

これで、すべての工程が終わりです。

 

ここまで、難しい説明もあったので、少し簡潔にまとめます。

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3ステップトリートメントと全く同じ

普通のトリートメントと同じ

 

これまでに説明してきた工程を簡潔にすると、このような流れです。

 

  1. 髪を洗う
  2. トリートメント成分を髪に浸透させる
  3. コーティングする

 

よくある3ステップトリートメントと同じですよね。

 

美容院で行われている全てのトリートメントはこの方法で出来ています。

 

この3つ以上の工程がある場合や逆に少ない場合は次の原理です。

 

  • 「トリートメント成分を髪に浸透させる」を細分化させている
  • 加温やミストなどの工程を加える
  • 「浸透」と「コーティング」を同時に行う

 

結局、「洗って、入れて、コートする」という理屈以外にないんです。

 

こういった流れの中に「成分のうんちく」を加えながら「セールストーク」をし「価値」を生み出しているのが美容院で行っているトリートメントです。

 

しかし、残念ながら1度痛んでしまった髪は元には戻りません。

 

どんなに高額な料金のメニューであっても、「髪の痛みは治らない」のが現代の毛髪科学の結論です。

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なぜ「1回100万円」もするのか?

100万円の理由

 

美容院のメニュー料金は、完全に美容院側の「言い値」です。

 

美容師は「技術料金」で商いをしているので、使用する商材の原価はごくわずかです。

 

だから、朝早くから夜遅くまで練習し、技術を磨いく努力が必要なんですよね!

 

今回のケースだと、料金の内訳はこのような感じだと思います(推測です)。

 

100万円に対する商材の原価は1000円程度だと思います。99万9000円が技術料金ということになりますね!

 

勘違いして欲しくないことが1つだけ・・・「詐欺ではない」ことは確かです。

 

それだけの技術、知識という価値に対する価格設定なので、価値の値段を決めるのは「美容院(美容師)側」になります。

 

飲食店だって同じですよね!

 

料金に見合う「価値」があるかないかを決めるのが「お客さん側」なので、気に入らないのであれば「選ばなければいい」だけの話です。

 

ここまで書いてきて、少し言いすぎたかな・・・という気持ちもあるんですが、事実なので訂正はしません。

 

ですが、別の視点から考えてみました。

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「髪の病院」という考えは素晴らしい

髪の病院という考えは素晴らしい

 

美容院は、髪によって「お客さんの夢を叶える」場所です。

 

たんに素敵な髪型を提供しているわけではなく、「髪型で人生を変える」事ができると考えて仕事をしています。

 

お客さんの髪を「美髪」にするという面においては「髪の病院」という考えは僕も賛同です。

 

髪の扱い方ってほとんどの人が「独学」ですからね。

 

習慣によって、知らないうちに髪を痛ませてしまうケアをしている人も多いです。

 

髪のプロである美容師が正しい方法を教える事ができる場が美容院です。

 

もちろん、100%正しい正解はないかもしれません。

 

美容師の1人1人が髪に対する考え方が違うし、知識も違います。

 

美容師自身の考えにお客さんが賛同できるかどうか?で正解が変わります。

 

これが1つの「相性」というやつです。

 

  • どうすれば、お客さんの髪をもっと綺麗にできるか?
  • より扱いやすくするには、どうすればいいか?
  • もっと髪を痛ませない方法はないか?

 

美容師は、こんな風に「お客さんの髪の事を四六時中考える」習性があります。

 

だからこそ、損傷してしまった髪をどうにかする「髪の病院」というイメージは素晴らしいです。

 

髪の悩みや痛みなどで困っている人の「駆け込み寺」のような存在もアリですね!

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「髪の病院」1回100万円のトリートメント効果のまとめ

髪の病院についてのまとめ

 

美容院でおこなっているトリートメントメニューは3ステップの理論以外にありません。

 

トリートメントメニュー=コーティングをする(皮膜を作る)

 

という認識をしておけば、間違いありません。

 

髪をコーティングすることで「一時的に」髪が綺麗に見えるのですが、髪の痛みが治っているわけではなく、コーティングによって、むしろ髪の痛みを加速させています。

 

詳しくはトリートメントで髪の傷みは治らない!やればやるほど逆効果をご覧ください。

 

どのようなことも同じなのですが、「高額だから良いもの」というわけではないのは、あなたも気付いているはずです。

 

番組内で、最後に専門家という人が素晴らしいコメントしていました!

 

「悩みの深い人で、ちょっと変わった所に行って見たい人は、心の満足度を含めて良いのではないでしょうか」
「髪は爪と同じなので、ケアをするのであれば毛根の髪を作り出す部分にお金をかけたほうが良い」

 

テレビなのでかなりオブラートに包んだ表現をされたのでしょうが、これが全てです。

 

非常に素晴らしく的確な意見だったので、思わず「うなづいて」しまいました。

 

とわいえ、このトリートメントがダメは訳ではないので、この金額に見合う「価値がある」と判断した場合は試してみてはいかがでしょうか?

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