美容学校では美容師国家試験で必ず合格させるように厳しい基準を設けていますが、実際の所、完璧じゃなくても余裕で合格できます。
むしろ、完璧を目指さない方が合格率は上がります。
課題がワインディングになった場合、不安を抱く人も多くいると思いますが、そんな人ほど最後まで読んでみてください。
美容師国家試験はそれほど難しいものではなく、大きなミスさえしなければ必ず合格できる資格試験です。
第2課題のワインディングは完璧じゃなくていい
第2課題がワインディングに選ばれた場合、ラッキーと感じる人もいれば、不安を持つ人もいると思います。
オールウェーブよりも「楽」に感じますが、規定時間が20分なので割とシビアな条件だと言えます。
どんなに早く終わっても18分前後はかかるので、残りは2分間しかあまりません。
この「2分」を残すためには、100点の仕上がりを目指してはダメということになります。
合格ラインは51点以上
美容師国家試験の実技試験は「減点法」で採点されます。
50点以下の減点で合格という規定になっているので、51点以上あれば合格ということになります。
- 「衛生点」20点以下の減点
- 「基礎技術点」40点以下の減点
と決められているので、技術点が全く減点されなかったとしても、衛生点で20点減点されたらアウトです。
そんなことはないとは思いますが、「衛生点での減点」は非常にもったいないので、爪の長さ、道具を拾う際の「消毒の有無」を徹底しておけば、衛生点を落とすことはまずないです。
意外と忘れがちなのが「最後に顔や首をタオルで拭く」ということです。
顔や首に水滴が付いていた場合は「衛生点での減点対象」になります。
ここも抜かりなく行うためにもタイムには余裕があった方がいいですね!
基礎技術点については、「巻き残しの毛束」があれば40点減点なので1発アウトです。
どんなことがあっても最後まで巻き切ることが絶対条件になるわけですが、「巻き残しの毛束」という表現からわかるように、髪の毛1、2本などの巻き残しは「毛束」ではないのでセーフです。
練習の過程で「切れ毛」などができてしまったりで、髪の毛が数本巻き残ってしまうのは仕方ないです。
国家試験を受けるということは、それだけの練習量を積んできているはずなので「ロッドの本数や構成」については割愛しますが、今までやってきた通りのことをすれば必ず合格できます。
逆に、「衛生点で20以上」「基礎技術点で40点以上」の減点をとる方が難しいです。
- 爪の切り忘れ
- 無言で落としたものを拾う
- ロッドの本数が少ない、多すぎる
- ロッド径数の構成ミス
- 左右の構成ミス
- 毛束レベルの巻き残し
これらのミスをしなければ必ず合格できますし、よほどテンパっていない限りはこんな致命的なミスは起こらないのではないでしょうか?
こう考えると、「タイムにさえ入れば合格」と言えます。
だからこそ、完璧を目指す必要なないんです。
国家試験の合格レベルである51点の仕上がりで十分なんです!
「完璧を目指す必要はない事は分かったけれど、やっぱり不安だ…」という方は、美容師国家試験の合格率を3ヶ月で引き上げる方法6選をご覧ください。
美容師国家試験で完璧を狙う技術は現場で使えない
美容師国家試験で完璧を狙う時、必ず必要になるのがツヤです。
ウィッグでワインディングをする時は人形なので、どれだけテンションをかけても「痛い」ということにはならないですが、人の頭の場合は違います。
ツヤを求めるあまり、強くテンションをかける癖がついてしまっている場合、美容院で働き出すと癖を直すのにかなり苦労します。
「痛い」というのは「下手」という事になりますからね。
強いテンションをかけなくても、しっかりとツヤのある綺麗なワインディングはできます。
ですが、国家試験を目指している時は「合格」という事にだけ意識が向いてしまうため、必要以上に強いテンションをかけてしまっています。
巻いた時にウィッグが動く(ズレる)場合、「テンションを強くかけすぎている」という事がわかります。
その力加減で、お客さんという人の頭を巻くと、かなり痛いです。
そのくらいのテンションでも十分綺麗なワインディングができるという事ですし、それができなればお客さんの髪にワインディングをする事が出来ません。
このように、現場で使えない「変な癖」をつけないためにも、美容師国家試験に向けての練習でも完璧な仕上がりを求めないほうがいいです。
ワインディングコンテストで優勝したいなら話は別
完璧を求めると実戦で使えないと説明したのですが、ワインディングコンテストで優勝を狙っている場合は別です。
- 美容学生部門
- 美容師アシスタント部門
などの各種コンテストで優秀な成績を収めたい場合は、「コンテスト用」としてのワインディングを身につける必要があります。
- ステム
- コーミング
- テンション
- 構成
すべてを完璧にして上位入賞を目指さなくてはいけないので、現場で使う技術とは全くの別物になります。
「現場用」「コンテスト用」で技術的はかなり違うので、コンテストに出場する場合は、両方を使い分ける器用さが必要になってきます。
コンテストで入賞するのはとても素晴らしいのですが、現場ではあまり役に立たないので僕はあまりオススメしないんですが・・・。
ワインディングコンテストって結構「自己満足」でしかないですからね。
まとめ
美容師国家試験の第2課題のワインディングは「減点法」という事をよく理解すれば、不合格になる可能性はすごく低いと思えるはずです。
減点を50点以下にすれば合格になる。というのが基準なので大きなミスをしなければ大抵は合格します。
国家試験前ともなると、かなりの練習量をしてきているはずなので、1番の不安要素となるのは「緊張」です。
コンテストで優勝を狙う場合は「完璧」でなくてはならいのですが、それは現場では使えない技術です。
- 美容師国家試験用
- コンテスト用
- 美容院用
とそれぞれに求められる技術が違う事を知っておくことだけでも「今後」が変わってきます。
美容師国家試験というのは「通過点」にすぎません。
美容師としての本番は「その先」にあります。
「通過点」で完璧を目指すあまり、「その先」というメインでつまずいてしまっては本末転倒なので、変な癖をつけないためにも「完璧ではなく合格レベル」という考えが大切です。
美容師国家試験の「実技、学科、当日までの準備」に関する記事をまとめてあります。
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