最近SNSなどでよく見かける「髪質改善トリートメント」なんですが、髪がツヤツヤ・ツルツルになる！というのは事実であり、事実ではありません。
出だしから意味がわからないと思うのですが、順を追って解説していきます。
最初にこれだけは知っておいて欲しいと強く願う事が「髪質改善」なんて今の科学では出来ない！という事です。
髪質改善トリートメントは確実に髪を痛ませるメニューでなんです。
髪質改善トリートメントで髪の痛みは治らない
「髪質改善」と「トリートメント」なんて言われると、すごく髪に良い事に感じますよね。
SNSを見てもツヤツヤ。ツルツルでサラサラになった髪が紹介させているので、視覚的にも良い印象を受けるのではないでしょうか？
トリートメントをすると髪の痛みが治ったり、元の健康な状態になる。というイメージが強いですが、今の科学では「髪を復元」することは不可能なことです。
爪が割れてしまった場合、元の状態に戻すことは出来ないですよね？
髪と爪は基本的に同じ「ケラチン」というタンパク質の一種で出来ているので、構造は違うものの構成は同じと言えます。
トリートメントによって、髪を復元できるのであれば、割れた爪を修復できるものがあってもおかしくないんです。
割れた爪を元に戻す技術・商品を見たり聞いたりしたことはないですよね？
そんなものは存在しないので、知っているはずがありません。
にも関わらず、髪だけを治せるなんておかしな話です。
「髪質改善」という言葉に騙されるな
髪質改善とはただの言葉遊びであって、中身はありません。
「髪質改善」という言葉に「トリートメント」という言葉を足すと、ものすごく耳障りがよく魅力的なメニューに感じますよね？
まさに、それが狙いです。
魅力的で人の目を引きつけるためだけの「商品名」なんです。
どんなネーミングにするかは、美容院の自由です。
例えば、僕が経営している美容院でメニュー名をある日突然、このように変更してもまかり通ります。
変更前→変更後
・カット→髪質改善カット
・カット→トリートメントカット
・カラー→髪質改善トリートメントカラー
一気に「髪に良い感」がでますよね？髪が綺麗になりそうだから試してみたい！という気持ちになりませんか？
しかし、施術内容はなんの変化もありません。
「ストレートパーマと縮毛矯正って何が違うの？を徹底解説してみた 」でより具体的に解説してありますので、読んでみてください。
髪質改善トリートメントは３種類ある
僕が知っている限りで「髪質改善トリートメント」と言われているメニューは３種類あります。
・美容院によくある普通のトリートメント
・普通の縮毛矯正（ストレートパーマ）
・グリオキシル酸を使用したストレートパーマ
この３種類のうちのどれかが「髪質改善トリートメント」という名前に変わって、新メニューとして打ち出されています。
美容院によくある普通のトリートメント
これは単純にネーミングを変えただけのパターンです。
「今までよりも良いトリートメントがあるけど、試してみる？」などと提案し、今まで通りのトリートメントをしている。といった内容です。
そして、「今までよりも良い」、「新しい・最新の」などといったワードを使い、ちゃっかり料金も上げている…普通に考えると詐欺ですよね。
しかし、それがまかり通るのが美容院です！
トリートメントは、一時的に見た目・手触りがよくなったように誤魔化すメニューです。
誤魔化してるだけなんですが、ダメージという代償を払って誤魔化しているんです。
トリートメントは、髪に痛みを治すどころか、髪を痛ませている。という絶対の原則があります。
またトリートメントの乱用は、弊害になるので注意が必要です。
「あなたの髪がべたつくのは過剰なケアが原因です」を参考にしてみてください。
普通の縮毛矯正（ストレートパーマ）
「髪質改善トリートメント」というメニュー名だけど、普通の縮毛矯正をしているパターンです。
チューニングなんて名前の「髪質改善系のトリートメント」も蓋を開ければ「縮毛矯正」と全く同じ内容です。
お客さんからすると「何をされているのかわからない」のではないでしょうか？
まさか「縮毛矯正に近いこと」をされているなんて思いもしないはずです。
これこそ詐欺ですが、これもまたまかり通ってしまいます。
これをしても「今は最初の（１番目の）トリートメントをつけて、髪に栄養を入れ込んでいます」なんていう適当な説明をさせる可能性はありますが、軽い牽制にはなります。
そして、髪の栄養なんてモノはこの世に存在しません。
グリオキシル酸を使用したストレートパーマもどき
グリオキシル酸という比較的新しい「薬剤」を使用したストレートパーマもどきのパターンです。
この薬剤は普通の縮毛矯正などの薬剤と違い「還元剤」ではない。らしいんだけど、詳しいことは美容師であってもよくわかっていない…というのが実情です。
といのも、メーカー側から詳しいことを開示されていないんですよね。詳細な情報が入り次第、追記いたします。
これは特許が絡む問題だからと推測されるんですが、メーカーの説明としては「トリートメントとしても使えます。」といった感じです。
メーカーに「これはトリートメントです」と言われれば、「トリートメント」だと思うのが普通です。
美容師に「これはトリートメント」と言われたら、お客さんが「これはトリートメントなんだ」と思うのと同じです。
このグリオキシル酸が出てきた当初は「還元剤」を使わずにパーマや縮毛矯正がかけれる！！
といったざわつきが業界内でありましたが、そんな都合のいい話はありません。
グリオキシル酸を使用した髪質改善トリートメントの特徴として、「最後にヘアアイロンを全体に通して完成」というプロセスがあり、この最後に熱を加えることにより、「酸」が定着？するらしく施術のキモになっているのですが、最後にアイロン通せばどんな髪でも綺麗なストレートになって当たり前なんですよね。
髪のツヤは「熱」で簡単に作れるものです。
詳しくは「髪のツヤとダメージは無関係！どんな髪でも一瞬でツヤツヤになる」を読んでみてください。
ビフォーアフターの対比で「この髪がこんなにツヤツヤになりました！すごくないですか？」といった投稿ばかり出てますが、アイロン仕上げをしているのだから当然の結果なんですよね。
髪質改善トリートメントは言葉遊び
美容院のメニュー名というのは、ただの「言葉遊び」です。
これは良さそう！と思わず思ってしまうネーミングのものほど、かなり怪しい施術ないようです。
それこそ、ノーベル賞が与えられるほどの成果になります。
メニュー名やビフォーアフターの変化だけで判断するのではなく、本質を見抜く正しい知識をつけることが「あなたの髪を守る」正しい方法だと言えます。
髪を綺麗にしたいのであれば、「髪の毛」よりも「頭皮」に目を向けた方が確実です。
髪を作るのは毛根がある頭皮です！
以上、【警告】髪質改善トリートメントは髪を痛ませてるだけ！言葉遊びに騙されるな！でした。
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